物件状況の告知 2

以前のブログでは賃貸の場合の告知義務についてのお話をメインで記載していたのですが、今回は不動産売買についての告知義務についてみていきたいと思います。

賃貸の場合での告知義務にあたるのは、「心理的瑕疵」です。

それは、建物についてはあくまで「借り物」なので、不具合が出てしまった場合は基本的にオーナーさんの負担で修理などをしていただけるため、設備等の故障などについてはあまり困ることはないのですが、心理的瑕疵(自殺があった、殺人があった等)は告知しないといけない事項なので、その様なことがあったにもかかわらず告知しなかった場合は損害賠償請求されたり、契約の解除の可能性もあります。

ですが、売買の場合は違います。

心理的瑕疵ももちろん大事なのですが、建物・土地、所有権が移るすべてのものを事前に告知しなければなりません。

それは売買契約書にも定めがある事項です。

名義が変わった時点ですべての義務・権利が買主に移ります。

義務・権利が移るということは、今後何かあっても買主の責任と負担になるということです。

その為、賃貸住宅よりも事前に告知することが大事になります。

売主が知らなくて告知しなかったことはまた別のお話になりますが、知っていたにもかかわらず告知しなかったことは損害賠償請求の対象になる可能性があります。

例えば、

・以前雨漏りがあったが、修理したので告知しなかった

・地中の中に埋設物がある

・境界のライン、自分はここだと思っているが相手はまた別の主張をしてきている

 

このようなことは「知っていたのに告知しなかった」とみなされてしまいます。

雨漏りについても現在は修理していて、売主さん的には問題ないと考えていても、買主さんからすると「過去に雨漏りがあった」という事実が大事ということもあります。

そうなると、買主さんの希望に沿わない条件の物件となりますので、その事実が事前にわかっていたら購入しなかったということも考えられます。

契約を白紙に戻すということで済めばお互いになかったことになるのですが、買主さんにも事情があり、今住んでいるアパートに解約の連絡をして、次の借主が決まっていたなどの事情がある場合には白紙にするだけではすまず、損害賠償の請求の可能性も出てきます。

そうなると告知しなかった売主さんに責任が問われます。

その理由は、仲介業者である不動産会社もその物件に住んでいるわけではないので、調査ではわからない部分があります。その部分、売主さんにしかわからないことを告知していただくための「告知書」となります。

告知書は、設備などの付帯設備表・基本的躯体・土地のことなどの告知書の2つがあり、売主さんに記入していただきます。

自分的には言わなくて一家と思うこともすべて記入する・告知することが後々自分を守ることにもつながりますし、買主さんも安心して購入することができるので、トラブル回避にもつながります。